※卒業生を含みます。
製菓キッチン利用 幸せのテーブル 上住裕子(うえずみひろこ)さん
AZ CAFEオープン時からのご入居者さんで、菓子製造キッチンを利用してケーキと焼き菓子を製造されています。
ショップの屋号「幸せのテーブル」は、上住さんが15年間続けているブログのタイトルから名付けられました。ダイニングテーブルの周りで営まれる、淡々とした生活にこそ幸せがあるという想いが込められています。
上住さんは、ペットと人の食生活アドバイザーとして10年以上活動。ペット食育協会®上級食育指導士として、ペットに手作りごはんを作りたい方や、ペットの食事に不安や疑問がある飼い主さんたちにレッスンをしたり、メディアへのレシピ提供などを行ったりしてきました。
家庭でお菓子作りもしていて、本格的に学び始めたのは2011年。代官山のイル・プルー ・シュル・ラ・セーヌの教室で、日本に本格的なフランス菓子を広めた弓田校長に師事。週1回、約5年かけてフランス菓子を学びました。
製菓の製造は長時間に及ぶ立ち仕事。体力が求められます。
コツコツと学ぶことは体力的に大変だったのではないですか?とお尋ねすると、「好きなことだから続けられる」と柔らかく微笑む上住さん。
フランス菓子を学んだ後は5年にわたり、市原のカフェで製菓やスタッフへの指導を行ってきました。
以前はドッグカフェをやりたいと考えたこともありましたが、様々な制約があり断念。
AZ CAFEの存在はペット食育協会の知人のSNS投稿で知ったそうです。
「ペットのことやお菓子作りなど、好きでやってきたことが偶然の出会いで繋がってきたようだ」と語る上住さん。
いまは朝6時からAZ CAFEのキッチンを利用していて、家から離れ自分の時間を持つための大切な場所になっていると言います。
AZ CAFEの入居者同士の繋がりで、ギフトセットのコラボ販売やおやつ定期便といった新サービスも誕生したそうです。
私のお菓子が好きだと言ってくれる人がいる限り、今後もお菓子を作り続けたいと語ってくださいました。
(取材日2022年10月11日)
キッチン利用 Herb Harvest 和漢ハーブ製造所さん
ようこさんは、和漢ハーブティーの製造、アロマのブレンドやブレンド精油の販売など、ハーブとアロマを軸としてお客様に「健やかな日々」を過ごしてもらうためのサービスを提供されています。
音楽大学出身で音楽関係の会社に勤務されていたようこさんは、ある日自律神経の不調から体調を崩してしまいます。体調がなかなかよくならない不安を感じていたところ、千代田区で開催された快眠講座でアロマスプレーと出会います。
アロマスプレーの快眠効果を感じたことがきっかけとなり、そこからアロマやハーブの勉強に没頭。ハーブやアロマは古代の医療に使われていたほど歴史が長く、その面白さに魅了されるあまり、気がつくと自身の体調不良のこともすっかり忘れて、健やかな日々を過ごしていたそうです。
そんなようこさんの姿は、周りにも影響を与えていきます。
勤めていた会社のお世話になった方から、コンサートでお客様に音楽と共に楽しんでもらうためのアロマやハーブティの業務を依頼されるようになり、ようこさんはハーブが仕事につながる手ごたえを感じたそうです。
2019年には、フレグランスコンテストで賞を受賞。ハーブの面白さを突き詰めていくと、周りからとんとんと評価されていく体験をします。Herb Harvestを開業してから、これまでに依頼されブレンドしたハーブティーは400種類以上。そこから特に需要がある5種類を商品化。現在は、サロンオリジナル商品の開発を依頼されるなど、活動の幅を広げています。
もともと積極的に人付き合いをするタイプではなかったというようこさんですが、AZ CAFEに入居したことで、たくさんの出会いがあったと言います。入居者同士でギフトセットを開発したり、マルシェに出品することになったり、AZ CAFEでの出会いがきっかけとなり、お仕事にも繋がっていったそうです。
長年、音楽の世界にいたようこさん。
音楽では、異なる音を同時に鳴り響かせることで和音を奏でますが、ハーブやアロマも、異なる植物や香りをブレンドすることで、効果や効能をつくっていくところに両者の共通点や面白さを感じるそうです。これからも、お客様に喜んでもらえ、健やかな日々を送れるような商品を届けていきたいと語ってくださいました。
(2022年9月卒業)
キッチン利用 酒処皓太 平和台店 店長 小園直史さん
「生活の一部」になるものを届けたい
酒処皓太の2号店「平和台店」の店長として、AZ CAFEのキッチンを利用中。現在、昼は流山産の食材をつかったおしゃれなランチ、夜はお料理とお酒がすべて500円で楽しめる居酒屋を営業中です。
結婚式場でプランナーや新式場の立ち上げなどを経験されたあとに、起業。現在は居酒屋の店長をしながら、トリミングサロンの経営、デザイナーと3つの顔を持っています。
小園さんが酒処皓太へ入店したのは6年前。熊本出身のオーナーが馬刺しを提供している酒処皓太に、同じ九州出身者として縁を感じたことがきっかけだったそう。
昔から人が集まる場所や接客が好きだった小園さん。お客さんがたくさん集まる酒処皓太で働くことに、とてもやりがいを感じていました。ホールやキッチンとして経験を積み、2号店の店長として抜擢されました。
小園さんが大切にしているのは「イメージ」。
食材をどう組み合わせるか、それをどうやってお客様に楽しんでもらうかをイメージしながら料理をしたり、メニューを考えたりするそうです。
そんな小園さんですが、AZ CAFEの利用開始当時は、ここのキッチンを利用するイメージが湧かなかったと振り返ります。
シェアキッチンという環境下では、冷蔵庫を他の方と共有して使わないといけないなどの制限があり、どう工夫するか悩んだこともあったそうです。
しかしキッチン利用者同士の繋がりができたことは、とても有意義だったと語ります。お菓子づくりのプロ、珈琲焙煎のプロなど、様々な道のプロが集まるAZ CAFE。皆それぞれ作っているものは違うけれど、同じサービス業を営む者として刺激を受けることも多かったそうです。
実は酒処皓太 平和台店は9月末でAZ CAFEからの卒業が決まっています。次の挑戦の場所を流山本町に移し、酒処皓太の新店舗をオープンする予定です。小園さんの持ち前の「イメージ力」を駆使して、新たな魅力を本町で発揮していかれることでしょう。
「人の生活の一部になるものを届けたい」
「食」という人間の生活の根幹を担う飲食業。人の生活に溶け込み、人のためになる飲食サービスを流山で提供し続けていきたいと、これからの展望を語ってくださいました。
(2022年9月卒業)
コワーキング会員 underline合同会社 代表 中島仁也さん
流山から世界へ挑戦 地元に雇用を創出したい
中島さんは、スタートアップ企業の代表を務めながら、デザイナー、イラストレータ、家具デザイナーなど多彩な活動をされています。
岩手県出身で、元地方公務員。デザイナーを志し一念発起して退職し、上京。都内のデザイン会社などでスキルを高めてきました。
転機となったのは、東日本大震災。
津波で親族を亡くしたことで、「自分だって明日死ぬかもしれない」ということを強く感じたそうです。
また当時、奥さまは妊娠中。
しかし自宅と職場が遠かったため、すぐに奥さまのもとへ駆けつけられなかったことから、家族と近い距離で働けるようにと、独立や引っ越しという大きな決断をしていきます。
デザイナー、イラストレーターとして独立以降は、大手外資系企業のグローバルな仕事をされる一方、
おおぐろの森小中学校の校章デザインなど地域での活動もされています。
そして「世界を変える携帯電話をつくる」というビジョンのもと、2019年にスタートアップ企業を起業しました。
「100歳まで生きるとしたら、残りの人生はあと何日か」
毎日強く意識しているからこそ、迷ってる時間はないと様々なことに挑戦してきた中島さん。
AZ CAFEに入居してからは、「運気が上がった気がする」と言います。
中島さんの家具デザインを気に入った他の入居者さんから、什器の発注をもらうなどの交流もあるそうです。
スタートアップ企業を経営するにあたっても、秋葉原とつくばを結ぶ位置にあり巨大物流センターも有する流山には、
世界に挑戦するポテンシャルが十分あると考えており、流山に拠点を構えることに大きな価値を感じているとのこと。
流山から世界へ挑戦する気持ちを持ちつつ、家族と子どものことをいつでも大切に考えてきた中島さんは、
「自分が家族の傍で幸せを実感しながら働けるようになったのと同じような環境を、他の人のためにもつくっていきたい。自分が流山に大量の雇用を創出することで、その環境づくりを実現していきたい」
とこれからの展望を熱く語ってくださいました。
(2022年12月卒業)